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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
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尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎・尿道炎)について

上の目次をクリックするとそれぞれの項目に移動します。

2018年度データ

入院患者数

尿路感染症で入院した患者数303人
  • 腎盂腎炎、膀胱炎で入院した患者さんを含みます。
    尿道炎の患者さんはいませんでした。

年齢構成

~29歳3人
30~39歳3人
40~49歳6人
50~59歳13人
60~69歳28人
70~79歳51人
80~89歳115人
90歳~84人
尿路感染症で入院した患者の平均年齢80.6歳

在院日数

尿路感染症で入院した患者の平均在院日数15.3日
当院に入院した患者の平均在院日数13.1日
  • 他疾患の治療や合併症などで入院期間が長くなった患者さんを除いて集計しています。
    この後の在院日数による分布、年齢別在院日数についても同様です。

尿路感染症で入院した患者の在院日数による分布

~9日70人
10日~19日153人
20日~29日50人
30日~39日13人
40日~4人
  • 在院日数の説明をご参照下さい。

年齢別在院日数

~29歳5.7日
30~39歳8.0日
40~49歳9.3日
50~59歳9.4日
60~69歳12.8日
70~79歳15.3日
80~89歳16.7日
90歳~16.2日
尿路感染症で入院した患者の平均在院日数15.3日
  • 在院日数の説明をご参照下さい。

退院状況

自宅へ退院161人
他病院へ転院51人
その他(施設への入所等)91人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

尿路感染症とは

尿路とは、尿が作られて排出されるまでにたどる、腎臓、尿管、膀胱、尿道のことをいいます。この尿の通り道に細菌が感染し、炎症が起こるものを「尿路感染症」といいます。

尿路感染症の多くは、尿道口から侵入した細菌が尿路をさかのぼって感染、炎症を起こす「上行性感染」によるものです。特に女性は尿道が短いため、尿路感染症にかかりやすいといわれています。

主な尿路感染症には「腎盂腎炎」、「膀胱炎」、「尿道炎」があります。

症状(初期症状含む)

腎盂腎炎は腰痛、高熱、尿のにごりなどがあります。

膀胱炎のうち、急性膀胱炎の場合は、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、血尿などがあります。慢性膀胱炎の場合は、症状が軽いか自覚症状に乏しい場合があります。

尿道炎は、排尿時の痛み、頻尿、尿意切迫などがありますが、症状が全くでない場合もあります。

尿路感染症の種類

尿路感染症は、炎症を起こす場所によっていくつかに分類されます。

腎盂腎炎

腎盂および腎臓に細菌が感染して、炎症が起こる病気です。急性と慢性があり、さらに急性は単純性と複雑性にわけられます。

単純性腎盂腎炎

単純性腎盂腎炎の多くは、尿が膀胱から、尿管へと逆流する「膀胱尿管逆流」現象によって引き起こされる上行性感染が原因であると考えられています。

複雑性腎盂腎炎

複雑性腎盂腎炎は、何らかの病気、例えば「尿管結石」などで、尿の流れが滞った場所に細菌が感染して、腎盂ないし腎臓に炎症が及ぶものです。

膀胱炎

膀胱には細菌に対する免疫力があるため、健康な状態であれば、感染することはありません。しかし、疲労やかぜ、ストレス、月経、身体の冷えなどにより、免疫力が低下すると、膀胱の粘膜に細菌が感染し、膀胱炎を起こすことがあります。また、排尿を長期間我慢したときなども膀胱炎になることがあります。女性に多い病気です。

膀胱炎には、急性膀胱炎と、慢性膀胱炎があります。

急性膀胱炎

急性単純性膀胱炎は、細菌の尿路逆行性の感染によることが多く、直腸や会陰部に常在する菌が起因菌になります。尿道の短い女性に多くみられます。性交、月経、また便秘や排尿を我慢することが誘因となります。排尿時の痛み、頻尿、残尿感、血尿などがあります。

慢性膀胱炎

糖尿病、悪性腫瘍、血液疾患といった免疫機能の低下している場合や前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄症といった尿流停滞をきたす基礎疾患を有する場合がほとんどです。慢性的に膀胱炎を引き起こす原因疾患があることが考えられます。

尿道炎

尿道に細菌が感染して、炎症を起こすものです。感染の多くは性行為によるものとされており、急性と慢性があり、淋菌が原因になって起こる淋菌性尿道炎と、その他の細菌が原因となる非淋菌性尿道炎にわけられます。

診断までの検査

尿路感染症は、尿検査や細菌学的検査、画像検査など、患者さんの状況に合わせて必要な検査を行います。

尿検査(尿定性検査・尿沈査検査)

尿定性検査は、試験薬を含んだ試験紙を使用し、尿の中の成分の多さを調べる検査です。

10~30分程度で結果が出るため、尿の中身を早く知りたい場合には便利な検査ですが、検査の精度はあまり高くないため、詳しく尿の内容を知るために尿沈渣検査を合わせて行うことがほとんどです。

尿沈渣検査は、尿中の赤血球や白血球の量や、細菌などを観察する検査です。尿を直接観察するため、尿定性検査よりも信頼度が高い検査ですが、尿定性検査よりは結果がでるのに時間がかかります。

血液検査

血液検査は、炎症の程度や全身状態を把握することができます。尿路感染症でも発熱などがあり全身状態の把握が必要と判断される場合に行います。

細菌学的検査(塗抹検査・培養検査)

尿路感染症は主に細菌感染が原因で起こるため、細菌感染に対して有効な抗菌薬の治療が必要です。細菌の種類を調べるための細菌学的検査は、効果のある抗菌薬を選ぶために大切です。

塗抹検査は10~30分程度で結果がわかるので、治療の始めから検査の結果を反映させることができます。塗抹検査では、細菌の名前やどの抗菌薬が適しているかまでは知ることはできませんが、4つの大分類(グラム陽性球菌・グラム陽性桿菌・グラム陰性球菌・グラム陰性桿菌)のうち、どれに該当するのかは知ることができ、効果が期待できる抗菌薬を選びやすくなります。

培養検査は、塗抹検査に比べて細菌の数が増えるため、細菌の名前や抗菌薬の効果まで知ることができます。ただし、培養検査の結果が出るまでには時間がかかります。

画像検査(超音波検査・CT検査)

超音波検査は、膀胱や腎臓、前立腺の観察が可能で、尿路以外の臓器も観察することができ、体への負担も小さいため、診断時だけでなく、治療開始後も状況把握のために行う場合があります。

CT検査は、超音波検査より多くの情報を得られます。しかし、放射線を使った検査のため、必要に応じて行うかどうか判断します。

治療と予防

治療

尿路感染症を起こした病原菌に対する抗菌薬の投与が治療の基本です。

しかし、尿路感染症に加えて尿路結石や尿路の変形がある場合は、悪化しやすく治療が長引きやすいです。

また、高齢者の腎盂腎炎は、悪化すると菌血症や敗血症となって命に関わることがあります。

治療日程の概要をみる

予防

日常生活において、尿路感染の予防になることを紹介します。

  • 外陰部を清潔に保つこと
  • 性交渉の前後には排尿をすること
  • ナイロンなど化学繊維の下着は避け、自然素材を選ぶこと
  • 水分を十分に摂取して長時間尿を我慢せず、こまめに排尿すること
  • 女性の場合は、排尿・排便後は前から後ろへ向けて拭くこと

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュール表に沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院での、尿路感染症の治療に対応するスケジュール表は2種類あり、主な内容は以下のとおりです。

尿路感染症治療の主な入院スケジュール

  • 急性単純性腎盂腎炎
  • 複雑性腎盂腎炎

急性単純性腎盂腎炎

複雑性腎盂腎炎

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、2019年7月31日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。