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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
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診療のご案内 手術について

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除の手術について

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平成28年度データ

入院治療患者数

内視鏡的大腸ポリープ切除術を
入院中に施行した患者数
444人
そのうち 大腸腺腫に対するもの415人
早期大腸がんに対するもの17人
その他のポリープに対するもの12人

年齢構成

大腸腺腫早期大腸がんその他のポリープ
~39歳3人0人0人
40~49歳24人1人2人
50~59歳71人0人2人
60~69歳153人4人4人
70~79歳119人8人4人
80歳~45人4人0人
疾患別平均年齢66.7歳72.6歳62.2歳

大腸腺腫

早期大腸がん

在院日数

内視鏡的大腸ポリープ切除術を施行した患者の平均在院日数2.3日
当院に入院した患者の平均在院日数12.8日
  • 入院中に、他疾患の治療などで長期入院となった患者さんは除いて集計しています。

術後合併症

術後出血による内視鏡的止血術施行患者数8人
術後穿孔による外科的開腹手術施行患者数0人
内視鏡的大腸ポリープ切除術を施行した患者数444人
  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

日帰り手術による治療患者数

内視鏡的大腸ポリープ切除術を
日帰りで施行した患者数※1
211人
  • 当院では2012年より日帰り手術を開始しました。
    日帰り手術の詳細については、以降の「内視鏡的手術(日帰り手術)」をご覧下さい。

入院手術と日帰り手術の割合

ポリープ・腺腫・早期がんとは

大腸ポリープとは

大腸(S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸・回盲)や直腸の内壁にできた、きのこ状やイボ状の隆起性病変の総称です。ポリープは腫瘍とそれ以外のポリープに分けられます。一般的に腫瘍とはがんや腺腫のことを表し、がんに変化しにくいポリープを過形成ポリープ、炎症性ポリープ、脂肪腫等で表します。

大腸腺腫とは

大腸にできた腫瘍性ポリープで、良性の腫瘍です。しかし、がんに変化しやすい性質があるため、綿密な検査や治療が必要となります。

早期大腸がんとは

大腸にできた腫瘍性ポリープで、悪性の腫瘍です。がんの大腸内壁への広がりが、粘膜下層にとどまるものをいいます。がんが小さく、一般的には転移も認められず、治療によって永久的もしくは長期的な治癒の期待ができます。

症状と分類

ポリープの種類や詳細(良悪含む)は、採取または切除した組織から顕微鏡を用いた病理診断により導き出され、手術の必要性等、今後の治療方針が決定されます。

大腸ポリープの症状

ポリープ(腺腫、早期がん)が小さいうちは症状がほとんどありませんが、大きくなると排便時に擦れ出血したり(便に血が混じることもあります)、場合により腹痛や下痢、腹部の張り、便が出にくい等の自覚症状が出たりします。同様の症状は大腸がんの症状でもみられることがあります。

ポリープの分類

いずれのポリープもがんに進展する可能性がまったくないとは言い切れません。また、患者様の年齢、ポリープの形状や大きさによってもがんに進展する可能性が異なります。早期検査や定期的な検査を受け、必要に応じた早期治療を受けることが重要です。

腺腫性ポリープ
いわゆる大腸腺腫です。最も多いポリープで、がんに進展する可能性が最もあります。しかし、多くの腺腫性ポリープはそのままか、一部退縮するものもありますが、サイズが大きかったり、徐々に大きくなったりした場合は特に注意が必要です。
過形成ポリープ
基本的には良性ですが、がんに進展する可能性もわずかながらあります。ほとんど正常な大腸の粘膜細胞が炎症等の原因で増えてしまいポリープのように見えるものです。
炎症性ポリープ
がんに進展する可能性はほとんどありません。激しい腸の炎症後、粘膜が再生する時に増殖した細胞が塊を作りできるものです。
粘膜下腫瘍
粘膜の下にできる腫瘍のため、隆起が穏やかです。ほとんどが脂肪腫等の良性腫瘍ですが、悪性腫瘍が隠れていそうな時は切除の対象となります。

腺腫の分類

最も多いポリープで、がんに進展する可能性が最もあります。しかし、多くの腺腫性ポリープはそのままか、一部退縮するものもありますが、サイズが大きかったり、徐々に大きくなったりした場合は特に注意が必要です。

腺腫のできた場所により、直腸腺腫、S状結腸腺腫、下行結腸腺腫、横行結腸腺腫、上行結腸腺腫、盲腸・回盲部腺腫などと呼ばれています。

大腸がんの分類

がんの大腸内壁への広がりが、粘膜下層までにとどまるものを『早期大腸がん』と言い、筋層に及んでしまっているものを『進行大腸がん』と言います。

早期大腸がん「mがん」
粘膜内にとどまっているがん。
早期大腸がん「smがん」
粘膜をこえて、粘膜下層にとどまっているがん。
進行大腸がん「mpがん」
筋層まで進んでいるがん。
進行大腸がん「ssがん」
筋層をこえて、漿膜にまで進んでいるがん。
進行大腸がん「seがん」
大腸の表面まで出てきているがん。
進行大腸がん「siがん」
大腸の表面まで出てきて、さらに他の内臓や組織に浸潤してしまっているがん。

診断までの検査

便潜血検査

便の中に、微量な血液が含まれているかを調べます。排便時、便が腺腫をこするとわずかに出血するため、便に血液が混じります。但し、進行がんでも便潜血が陰性の場合や、痔などがん以外の疾患でも陽性になる場合があります。

肛門鏡(直腸鏡)検査

筒状の器具を肛門から挿入し肛門~直腸内を直接観察します。

直腸指診

医師が指で直接、直腸の触診を行ないます。簡単に実施できますが、肛門から数センチのところまでしか診断できません。

注腸検査(バリウム検査)

肛門からバリウムと空気を注入し、レントゲン撮影を行ないます。ポリープの位置や大きさ、腸の狭さの程度がわかります。異常組織が見つかったときに、そのまま組織を取り出す行為ができないため、改めて内視鏡等の検査をしなくてはなりません。

大腸内視鏡検査

肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸全体を検査できます。同時に、病変が確認されたら、組織の一部を採取してさらに詳しく調べたり、適応があれば病変の切除をしたりすることも可能です。

病理検査

検査で採取した組織や手術で切除した組織を、顕微鏡等でより詳しく分析します。がんの有無、がんの進行度合いの診断がなされ、追加手術の必要性の判断基準ともなります。

治療・手術について

内視鏡的手術(内科的治療)

大腸ポリープは大きく分けて、がんとは関係のないポリープと、将来がんに変化する可能性のあるポリープ、すでにがんに変化しているポリープに分かれます。便潜血検査や注腸検査を経て、内視鏡検査でポリープが発見された場合、将来がんに変化する可能性のあるポリープやすでにがんに変化しているポリープが切除の対象となります。また、ポリープ切除後の病理診断によっては追加の手術を要する場合があります。

治療日程の概要をみる

  • ポリープの大きさや形状等により切除方法が異なりますが、共通して切除時の痛みはありません(大腸粘膜には知覚神経がなく、通常痛みを感じることはありません)。
  • 全身麻酔の必要もないため身体への負担が少なく済みます。当院では、内視鏡検査室にて点滴による軽い麻酔を施し、ポリープ切除術が施行されます(人体に影響のない高周波電流で焼き切ります)。
  • 一般的には、ポリープや早期がんの治療には向いていますが、がんが深い位置にまで及んでいる場合や、形状によっては内視鏡的切除術の対象とはなりません。粘膜内にとどまっている早期がん(mがん)であれば、大腸内視鏡で治療をすることができます。
ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)

内視鏡にて、ポリープの形状や性状、正常粘膜との境界等をよく観察します。切除対象のポリープ(隆起部)に、内視鏡の先端部から出した輪状のワイヤーを掛けます(取り残しのないよう注意します)。徐々にワイヤーを締めていき、弱い電流を流し切除します(人体に影響のない高周波電流で焼き切ります)。

EMR(内視鏡的粘膜切除術)

ワイヤーが掛けにくい病変をつかむときや、確実に取り切るために大きく切除する際に大腸の穿孔(穴が開いてしまう)を防ぐのに有効な手術です。まず、内視鏡にて、ポリープの形状や性状、正常粘膜との境界等をよく観察します。病変の下層に生理食塩水を注入し病変を持ち上げます(ふくらます)。あとは、通常のポリペクトミーと同様の操作で、内視鏡の先端部から出した輪状のワイヤーを掛けます(取り残しのないよう注意します)。徐々にワイヤーを締めていき、弱い電流を流し切除します(人体に影響のない高周波電流で焼き切ります)。

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

ポリープが大きい場合に適しています(但し、がんが粘膜層にとどまっている早期がんのみ適応)。内視鏡にて、ポリープの形状や性状、正常粘膜との境界等をよく観察し、病変の下層に生理食塩水を注入し病変を持ち上げます(ふくらます)。ポリペクトミーもEMRもワイヤーで切除でしたが、この術式は電気メスで、病変を1つの塊で削り取ることをイメージしていただくのが良いと思います。

内視鏡的手術(日帰り手術)

当院では2012年(平成24年)より、大腸ポリープの日帰り手術を開始しました。日帰り手術とは、手術当日に来院して、その日に帰宅できる手術のことを言います。ポリープの大きさ、形状または数にもよりますが、入院せずにポリープの切除を行うことができます。

日帰り手術には、以下のメリットがあります。

  • 日常生活への影響が少ない
  • 入院のわずらわしさがない
  • 医療費が安い
  • 身体への負担が少ない

一方、入院とくらべると術後の院内での経過観察や、ケアにかける時間が短くなるため、合併症などへの格段の配慮が必要となります。また、患者さんの状態や元々持っている持病によって、日帰り手術ができない場合があります。ご不明な点などございましたら、かかりつけの医師にご相談下さい。

内視鏡的手術における予期される合併症

手術中、および手術後の合併症として、治療部位からの出血や、穿孔(穴が開く)の可能性があります。場合によっては、外科的手術(開腹術)が必要となる場合があります。出血の場合の処置の一例を紹介します。

内視鏡的止血術

内視鏡にて行なわれます。まず、出血点を探し出し、特定することから始めます。出血点の特定ができたら以下のような処置を行ないます。

局注法
出血部に止血効果のある薬剤を注入します。
熱凝固法
高周波電流で出血部の組織を凝固させます(高周波電流の熱で凝固させます)。
機械法
クリップと呼ばれる医療器具にて出血部を直接結紮します(ホチキスのイメージ)。数日~数週間で自然に外れ便と共に排出されます。
薬剤散布法
止血効果のある薬剤を出血部周辺に散布します。広い部位に適しており、上記のような局所的治療に対する補助療法として用いることがあります。
  • 処置後も、再出血等がないか経過を慎重に追います。場合によっては、入院期間が延長される場合があります。

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュールに沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院での、大腸腺腫の治療に対応する主なスケジュール表の内容は以下の通りです。

大腸腺腫治療の主な入院スケジュール

  • 大腸ポリペク(1泊2日)

大腸ポリペク(1泊2日)

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成29年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。