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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
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FAX:0263-32-6763
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肺がんについて

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平成28年度データ

入院患者数

肺がんで入院した患者数184人
  • 転移性肺癌・肺癌疑いを含む数となります。

年齢構成

30~39歳2人
40~49歳7人
50~59歳13人
60~69歳51人
70~79歳82人
80~89歳24人
90歳~5人
肺がんで入院した患者の平均年齢70.4歳

肺がん手術を行った患者の平均在院日数

肺がんの手術をした患者の平均在院日数10.5日
手術してから退院までの平均在院日数8.0日
  • 他疾患の治療などにより入院長期となった患者さんは除外しています。

退院状況

自宅へ退院150人
他病院へ転院※17人
その他(施設への入所等)4人
死亡退院※223人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。
  • 死因の内訳は、肺がん22人、その他のがん1人です。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による統計です。

肺がんとは

肺がんとは、気管支から肺に発性する悪性腫瘍(がん)の総称です。

もともとは、正常な細胞が何らかの原因によりがん細胞に変化します。変化した細胞が何兆という数に増えて、肺がんとして目に見えるようになります。がん細胞は増加するにつれ、血液やリンパ液の中を流れていき発生部位の周囲の臓器だけでなく、遠くの臓器にまで広がります(転移)。肺は左右に存在し(右は左より少し大きい)、それぞれが「葉」と呼ばれる部分に分かれています。右は、上葉・中葉・下葉の3つに分かれ、左は上葉・下葉の2つに分かれます。

肺がん発症の原因には、喫煙(受動喫煙含む)や石綿(アスベスト)など、これらを長期間吸い込むことが肺がんの発症リスクを高める要因の一つであると、一般的には考えられています。

症状(初期症状含む)

  • 持続する咳や痰、血痰(血液混じりの痰)
  • 持続する微熱
  • 胸部痛
  • 呼吸困難
  • 声のかれ
  • 顔や首のむくみ
  • 肺がんが原因の肺炎(閉塞性肺炎)
  • 食欲不振や体重減少、疲労感
  • 上記は一例です、他の症状が出現する場合や、肺がん以外の疾患でも上記の症状が出現する場合もあります。また、肺がんが転移した場合には転移した場所により出現する症状も変わってきます。肺がんはあまり症状が出ないため、早期発見が難しい疾患です。持続する咳や痰、微熱など気になる症状があれば早期の医療機関受診をおすすめします。何よりも、定期的な検診が早期発見、早期治療への第一歩です。

肺がんの種類

肺の組織や痰の細胞を顕微鏡で検査(病理検査)することにより分類されます。

小細胞がん

発症頻度は比較的少ないですが、進行(成長)が早く、検査で発見されたときはすでに転移している可能性が高い悪性度の高いがんです。化学療法(抗がん剤等の薬物治療)や放射線治療の効果が比較的期待できます。

非小細胞がん

肺がんの多くが非小細胞がんです。早期に発見し治療を開始すれば、治る可能性があります。化学療法(抗がん剤等の薬物治療)や放射線治療は、治療として効果はあまり期待できず(生存期間の延長や日常生活の質向上の効果はあり)、何よりも早期発見による手術治療が最良な治療法となります。

非小細胞がんはさらに詳細に分類されます。

腺がん
肺がんの中で最も頻度が高く、肺の末梢に発症しやすいです。
他の臓器等へ広がる(転移)可能性が高いです。
咳や痰といった症状が出にくいです。
扁平上皮がん
喫煙による因果関係が強いです。
肺の根元(気管支の根元)に発症しやすいです。
他の臓器等へ広がる(転移する)可能性は比較的少ないです。
咳や痰といった症状が出やすいです。
大細胞がん
発症頻度は比較的少なく、肺の末梢に発症しやすいです。
進行(成長)が早く、他の臓器へ広がる(転移)可能性も高いです。
発熱といった症状が出る場合もあります。

診断までの検査

胸部レントゲン検査

肺の異常や、疑わしい部分の発見に適していますが確定診断まではたどりつけません。小さな病変は発見しにくいです。

胸部CT検査

がんの部位や形、大きさ、進行度、転移の有無等の発見に有効ですが、確定診断まではたどりつけません。

胸部MRI検査

がんの胸壁や縦隔への広がりを検討するのに行われる場合があります。

頭部MRI検査

がんの脳への転移の有無がわかります。

PET検査

特殊な検査薬を注射しPETで撮影すると、がんの有無や位置、転移した部位がわかります。

血液検査(腫瘍マーカー)

血液中のある種のたんぱく質のレベルを計測(腫瘍マーカー)することにより、進行がんの存在の判断材料となります。

喀痰細胞診

気管や太い気管支のがんを発見するのに有効な検査です。気管支、肺から吐き出される痰を顕微鏡で観察することで、がん細胞の有無や、種類(組織型)を知ることができます。たばこを吸う方がかかりやすい、太い気管支のがんなどは、胸部レントゲン検査や胸部CT検査で肺に異常な影が見つかる前に、診断できることがあります。

気管支鏡検査

喉に麻酔をし、気管支鏡(内視鏡)を口から挿入し、喉から気管支、そして肺を観察します。同時に、痰や組織を採取し顕微鏡でより詳しく分析(病理検査)します。

針生検・胸腔穿刺

局所麻酔後、体外から針を胸部の内に挿入し細胞や組織等を採取します。採取した組織や細胞等を顕微鏡でより詳しく分析(病理検査)します。

病理検査

喀痰や検査で採取した組織や手術で切除した組織を、顕微鏡等でより詳しく分析します。がんや転移の有無、がんの進行度合いの診断がなされ、追加手術の必要性や化学療法を行なうか等の判断基準ともなります。

治療と予防

治療

肺がんの種類や部位、がんの病期(進行度合い)により異なります。

治療日程の概要をみる

手術(外科的治療)
基本的に手術の適応は非小細胞がんとなります。
手術室で、全身麻酔下に行われます。
胸腔鏡(内視鏡)を補助的に用いて、10cm程度の小開胸創で手術を行い、腫瘍を含めた肺を切除およびリンパ節の郭清を行います。
部位や進行度合い、大きさによって部分的に切除する場合、肺葉(葉)を切除する場合、片肺を切除する場合がそれぞれあります。
  • リンパ節郭清・・・リンパ節を周囲の脂肪組織と共に切除します。
放射線治療
小細胞がんに対し比較的効果が期待できます。
がんとその周辺のみを治療する局所治療です。がんを完全に治すことを(根治)目的に行う場合と、がんによる症状の緩和や延命目的に行う場合とがあります。また、化学療法と併用することもあります。副作用にも注意が必要です。
化学療法(薬物治療)
いわゆる抗がん剤による治療です。
静脈から点滴を行なうものと口から薬を投与する(経口)場合がありますが、がんの種類や進行度、患者さんの全身状態を考慮して治療方法を決めます。また、入院して投与治療する場合と通院で投与治療する場合があります。抗がん剤は、血液によって全身へ運ばれるため、比較的広い範囲のがん細胞にも効果が期待できます。
肺がんの化学療法には、根治的な手術が不可能な場合のがんに対する直接的な治療(生存期間の延長や日常生活の質向上のため)目的、進行がんの手術後の再発防止目的があります。
副作用にも注意が必要です。

予防

禁煙(非喫煙)
たばこに含まれる発がん物質が肺の細胞に悪影響を及ぼします。たばこを吸っていると必ず肺がんを発症するとは限りませんが、発症するリスクは吸わない場合に比べてかなり高くなります。また、受動喫煙(非喫煙者が喫煙者の吸うたばこの煙を吸い込むこと)も肺がん発症のリスクとなります。
定期的な検診・検査
早期発見、早期治療が有効となりますので、胸部CT検査、喀痰細胞診、結核健診等を定期的に受診してください。

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュール表に沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院での、肺がんの治療に対応するスケジュール表には以下のようなものがあります。

肺がん治療の主な入院スケジュール

  • 気管支鏡検査
  • 胸腔鏡下肺葉切除術
  • 胸腔鏡下肺部分切除術
  • 肺切除術

今回掲載している入院スケジュールは、気管支鏡検査と胸腔鏡下肺葉切除のものです。

気管支鏡検査

胸腔鏡下肺葉切除術

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成29年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。