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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600
FAX:0263-32-6763
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糖尿病について

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平成28年度データ

入院患者数

糖尿病の治療・教育で入院した患者数126人
そのうち1型糖尿病7人
そのうち2型糖尿病116人
その他の糖尿病3人
  • その他の糖尿病には、膵性糖尿病による入院が含まれます。これ以降のデータについても同様です。

年齢構成

~29歳4人
30~39歳4人
40~49歳17人
50~59歳18人
60~69歳39人
70~79歳27人
80~89歳15人
90歳~2人
糖尿病で入院した患者の平均年齢63.2歳

平均在院日数

糖尿病で入院した患者の平均在院日数10.5日
そのうち教育入院を主な入院目的とした患者の平均在院日数8.4日
当院に入院した患者の平均在院日数12.8日
  • 他疾患の治療等で在院日数長期の患者さんについては平均在院日数より除外しています。
    (在院日数の分布、年齢ごとの平均在院日数に関しても同様です。)

糖尿病で入院した患者の在院日数の分布

~5日29人
6日~10日42人
11日~15日22人
16日~20日16人
21日~25日4人
26日~30日2人

糖尿病で入院した患者の年齢ごとの平均在院日数

~29歳7.5日
30~39歳10.3日
40~49歳9.0日
50~59歳9.9日
60~69歳11.1日
70~79歳9.0日
80~89歳14.8日
90歳~16.0日
糖尿病で入院した患者の平均在院日数10.5日

退院状況

自宅へ退院114人
他病院へ転院※110人
その他(施設への入所等)1人
死亡退院※21人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。
  • 死因の内訳は、低血糖1人となっております。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリン作用不足により、慢性的に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなる病気です。

ブドウ糖とインスリンの関係

  • ブドウ糖は身体にとって最も重要なエネルギー源で、食事などで摂取された炭水化物(=糖質)が消化により分解されてブドウ糖となり、小腸で血液中に吸収されます。血液中のブドウ糖は全身の細胞に送られて、エネルギーとして使用されます。さらに、余ったブドウ糖は肝臓や筋肉でグリコーゲンに変えられて貯えられ、また、脂肪組織では中性脂肪として貯えらます。
  • インスリンは膵臓の「膵ランゲルハンス島β細胞」でつくられるホルモンで、肝臓や筋肉、脂肪組織でのブドウ糖の細胞内への取り込みを促進する働きをしています。食事摂取などにより血糖値が上がると、膵臓からのインスリンの分泌(放出)量が増加して、細胞内に取り込まれるブドウ糖の量が増えるため、血糖値は下がってもとの値へ戻ります。
  • インスリンの作用不足が起こると、ブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなり、血糖値が高くなります。作用不足は、インスリンの分泌不足(量が足りない)、またはインスリンの作用が効きにくくなることにより起こります。

糖尿病の三大合併症

高血糖状態が長く続くと、神経障害や網膜症、腎症という糖尿病に特有な合併症が起こります。

糖尿病神経障害
両足の感覚の低下やしびれ、痛みなどがでます。足の感覚低下のため、熱さや痛みが分からなくなり、湯たんぽなどで火傷してしまうことや、怪我に気づかずにいて感染を起こし、重症化して壊疽(細胞や組織が死んで腐ること)に至ることがあります。また、自律神経の障害として、立ちくらみや消化器症状(嘔気、嘔吐、下痢、便秘など)、排尿障害などがあります。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、日本における失明原因の第2位となっています。初期の自覚症状がほとんどなく、硝子体出血などが起こって重症となった時点で発見されることが珍しくありません。糖尿病と診断されたら、定期的に眼科での検査を受けることが大切です。
糖尿病腎症
腎臓は血液をろ過して、身体に不要なものを排出する機能がありますが、腎臓のろ過装置である「糸球体」という組織が破壊され、腎臓の機能が低下します。腎症も初期には自覚症状がないため、定期的に腎臓の機能をみる検査(微量アルブミン尿検査やクレアチニン・クリアランスという検査など)を行なうことが必要です。また、現在、血液透析による治療を新たに開始した、末期腎不全患者の原因疾患第1位が糖尿病腎症となっています。

その他にも、足病変(いわゆる水虫やたこから、潰瘍や壊疽のような重症なものまで、幅広い足のトラブルを含みます)や歯周病、動脈硬化症による心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症(足の動脈がつまって血液の流れが悪くなり、痛みを感じたり、壊疽が起きたりします)など、糖尿病は様々な合併症を引き起こします。しかし、糖尿病の治療をしっかりと行ない、また、高血圧症や脂質異常症などがある場合には併せて十分な治療を行なうことで、合併症の発生や悪化を抑えることができます。

症状(初期症状を含む)

高血糖によるもの

  • 口渇(のどの渇き)
  • 多飲
  • 多尿
  • 体重減少
  • 疲れやすい

合併症が疑われる症状

  • 足のしびれ感
  • 歩行時の足のいたみ
  • 四肢のむくみ
  • 発汗異常
  • 便秘、下痢
  • 足の潰瘍、壊疽 など

糖尿病の分類

1型糖尿病

インスリンをつくる膵臓の「膵ランゲルハンス島β細胞」が破壊されて発症します(身体の中に入ってきた細菌やウイルスなどの異物を認識して排除する作用が、自分自身の正常な細胞や組織まで攻撃してしまう自己免疫機序によることがほとんどです)。生命維持のために必要なインスリン量が不足するため、インスリン治療が必要になります(インスリン依存状態)。小児~思春期の発症が多く(中高年でも認めます)、肥満との関係はありません。

2型糖尿病

膵臓から分泌されるインスリン量が低下することによるものと、インスリンの作用が効きにくくなることによるものとがあります。生命維持のためのインスリン治療は必要ありませんが(インスリン非依存状態)、血糖コントロールのために、インスリン治療を行なうことがあります。40歳以上に多く(若年発症も増加しています)、肥満または肥満の既往との関係があります。

診断までの検査

糖尿病の診断は、血糖値を測定して行なわれます。

① 早朝空腹時血糖値※3126mg/dL以上

② 75g経口ブドウ糖負荷試験※4で2時間値200 mg/dL以上

③ 随時血糖値※5200 mg/dL以上

④ 早朝空腹時血糖値110mg/dL未満

⑤ 75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値140 mg/dL未満

①~③のいずれかの血糖値が確認された場合は、「糖尿病型」と判定します。

④および⑤の血糖値が確認された場合には、「正常型」と判定します。

「糖尿病型」「正常型」いずれにも属さない場合には、「境界型」と判定します。

  • 前夜の食事から10時間以上の絶食後、翌朝に測った血糖値です。
  • この後で説明が出てきます。
  • 食事に関係なく測った血糖値です。

血糖値は変動が大きいため、2回以上日を変えて上記の判定を行ない、2回とも「糖尿病型」と判定されると、「糖尿病」と診断できます。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、1回の判定が「糖尿病型」であれば、「糖尿病」と診断してもよい、とされています。

  • 口渇、多飲、多尿、体重減少など、糖尿病の典型的な症状がある場合。
  • 同時に測定したヘモグロビンA1cの値が6.5%以上の場合。
    • 後で説明が出てきます。
  • 確実な糖尿病網膜症が認められる場合。
  • 過去に「糖尿病型」を示した検査データがある場合。

75g経口ブドウ糖負荷試験

前夜の食事から10時間以上の絶食後、翌朝に行なう検査です。まず、空腹のまま採血して、血糖値を測ります。その後、ブドウ糖75gを水に溶かして飲んで、30分後、1時間後、2時間後に採血して血糖値を測り、ブドウ糖を飲む前の血糖値と、2時間後の血糖値をみて、糖尿病型・境界型・正常型の判定を行ないます。30分後と1時間後の血糖値は、糖尿病発症のリスクの有無を判定するのに役立ちます。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)

ヘモグロビンA1cは、血液の成分のひとつである赤血球中に含まれるヘモグロビンに、ブドウ糖が結合したもので、血糖値が高くなるほどヘモグロビンA1cの値も高くなり、ヘモグロビンA1cの値が6.5%以上の時であれば、通常は糖尿病と判断してよいとされています。また、ヘモグロビンA1cの値は、過去1、2ヶ月の血糖値の平均を反映しているので、糖尿病治療中の血糖コントロールが、しっかりと行えているかどうかの指標になります。検査は採血をして行ないます。

治療と予防

治療について

糖尿病の治療目標は、血糖値、体重、血圧、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の良好なコントロール状態を維持することによって、糖尿病による合併症の発症や進行を抑え、健康な人と変わらない日常生活の質を維持することと、健康な人と変わらない寿命を確保することにあります。

治療は患者さんの状態によって、食事療法や運動療法、薬物療法を組み合わせて行ないます。また、糖尿病の治療には、患者さん自身が糖尿病とその治療、合併症などについて正しく理解することが重要です。そのため、当院では医師や糖尿病療養指導士が中心となり、糖尿病や合併症等について、ご理解いただきながら治療を進める「教育入院」を行っています。

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食事療法

食事療法は、糖尿病の治療の基本となります。年齢や性別、肥満度、身体活動量、血糖値、合併症の有無などを考慮して、エネルギー摂取量が決まります。その範囲内で、バランスのとれた食事を朝、昼、夜と規則正しく摂ります。また、高血圧症や腎症がある場合には、塩分制限が行なわれ、さらに、腎機能の低下がみられる場合には、蛋白質制限が行なわれます。

運動療法

運動することによって、ブドウ糖や脂肪が利用され、血糖値が低下するとともに、長期的な効果としてインスリンの作用が効きやすくなります。糖尿病の状態や、合併症の有無などによっては、運動制限が必要なこともあるので、医師の指示に従ってください。

経口薬治療

血糖値を下げる薬剤を飲んで行なう治療です。2型糖尿病で、十分な食事療法と運動療法を行なっているにも関わらず、良好な血糖コントロールが得られない時に開始します。薬剤は効き方の異なるものが何種類かあり、患者さんの状態に応じて薬剤の種類と量の調整を行ないます。場合によっては、2種類の薬を併用することもあります。また、経口薬治療は食事療法と運動療法を補うものであり、薬剤を飲み始めても食事療法と運動療法は継続します。

インスリン療法

注射をしてインスリンを補う治療です。1型糖尿病ではインスリン療法が必要になります。また、2型糖尿病でも、経口治療薬では良好なコントロールが得られない場合には、インスリン療法を行ないます。さらに、重症な感染症や外傷、全身管理が必要な外科手術を行なう時などにも、インスリン療法を行ないます。インスリン製剤は、効果の現れる時間や、効果の続く時間が異なるものが何種類かあり、患者さんの状態に応じて、適切なインスリン製剤を選択して、インスリンの量を調整します。2種類のインスリン製剤の併用や、経口薬を併用することもあります。インスリン療法を行なう場合でも、食事療法と運動療法は継続します。

予防について

  • 肥満は2型糖尿病の発症を促進させます。また、肥満と呼べないような軽度なBMIの増加も糖尿病発症のリスクを高めます。食事と運動による体重のコントロールが必要です。

  • 運動習慣は、体重減少による効果とは別に、2型糖尿病の発症を予防する効果があります。
  • 喫煙、適量を超えたアルコール摂取はそれぞれ糖尿病発症の危険因子です。
  • 高血圧症や脂質異常症があったり、妊娠中に糖尿病になった経験があったりする場合、また、身内に糖尿病の方がいる場合、75g経口ブドウ糖負荷試験にて「境界型」と判定された場合などには、2型糖尿病発症のリスクが高くなります。定期検査を受けながら、生活習慣を見直すことが大切です。

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュールに沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院の糖尿病の教育入院に対応するスケジュール表は、以下のとおりです。

治療のための入院スケジュール

  • 糖尿病の教育入院

糖尿病教育入院

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成29年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。