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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600
FAX:0263-32-6763
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腸閉塞について

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平成26年度データ

入院患者数

腸閉塞で入院した患者数157人

年齢構成

年齢手術あり手術なし
~29歳1人4人
30~39歳1人3人
40~49歳2人2人
50~59歳4人8人
60~69歳8人20人
70~79歳7人34人
80~89歳7人39人
90歳~3人14人
腸閉塞で入院した患者の平均年齢68.7歳73.7歳

平均在院日数

腸閉塞で入院した患者の平均在院日数11.5日
そのうち手術の施行ありの患者の平均在院日数12.6日
そのうち手術の施行なしの患者の平均在院日数11.2日
当院に入院した患者の平均在院日数13.5日
  • 平均在院日数は、他疾患により入院期間が長期化した患者さんについて除外しています。

腸閉塞で入院した患者の在院日数による分布

手術あり手術なし
~5日1人11人
6~10日15人64人
11~15日8人27人
16~20日4人11人
21~25日5人2人
26~30日0人8人
31日~0人1人

年齢別平均在院日数

手術あり手術なし
~29歳10.0日6.5日
30~39歳8.0日7.7日
40~49歳15.0日5.5日
50~59歳13.3日7.8日
60~69歳11.3日7.9日
70~79歳12.3日11.6日
80~89歳13.1日13.2日
90歳~15.7日14.8日
腸閉塞で入院した患者の
平均在院日数
12.6日11.2日

  • 平均在院日数の説明をご参照下さい。

退院状況

手術あり手術なし
自宅へ退院31人96人
他病院へ転院※11人14人
その他(施設への入所等)1人10人
死亡退院0人4人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

腸閉塞とは

腸閉塞=イレウスとも呼ばれます。

口から摂取した飲食物や消化液、ガス、便などが、排泄されずに小腸や大腸で滞ってしまう(内容物が腸に詰まった)状態です。通常、口から摂取した飲食物、唾液や胃液等の消化液は、胃、小腸、大腸を通過し消化・吸収され、最終的に便とともに排泄されます。内容物が排泄されずに腸に詰まると、腸が拡張しお腹が張ります。そして、停滞している内容物が口の方へ逆流することにより嘔気・嘔吐をもたらします。さらに進行すると、腸管の動脈血流障害による腸管の壊死や穿孔を引き起こし、生命の危険も伴います。

症状(初期症状含む)

激しい腹痛

腸閉塞の種類によっては、強い痛みと弱い痛みを繰り返す場合や、激しい痛みが休まることなく続く場合があります。

嘔気(吐き気)・嘔吐

嘔吐物は、最初は白色や透明、黄色の胃液等ですが、進行すると、便臭を伴う腸からの逆流物となります。

ガスや排便の停止

お腹の張り、膨満

顔面蒼白、冷汗

腸閉塞の種類

機械的腸閉塞(機械的イレウス)

腸管の器質的病変(がんや腫瘍、胆石等)による物理的な狭窄や閉塞、外部(卵巣がん等)からの腸管の圧迫、異物誤飲、大量の不消化性食物の摂取などが原因となります。

単純性腸閉塞(単純性イレウス=閉塞性イレウス)

腸管膜の血行障害を伴わない。

主な原因

  • 大腸がん
  • 開腹手術後や外傷による腸管の癒着(くっつくこと)
  • 麻痺性腸炎
複雑性腸閉塞(複雑性イレウス=絞扼性イレウス)

腸間膜の血行障害を伴う⇒早期に手術が必要

腸が何らかの原因により、絞めつけられた状態になり血流が来なくなってしまいます。

主な原因

  • 腸重積
  • 鼠径ヘルニア嵌頓
  • 腸軸捻転症

機能的腸閉塞(機能的イレウス)

開腹手術後の腸管の運動麻痺、腹膜炎や鉛中毒、回虫などによる腸管の痙攣が原因となります。

麻痺性腸閉塞(麻痺性イレウス)

腸管に器質的な疾患はなく、腸管壁の神経や筋により、腸管運動が麻痺した状態です。つまり、腸の運動がなくなることにより、腸の内容物が送れなくなってしまうことです。

主な原因

  • 腹膜炎
  • 子宮外妊娠
  • 腹腔内出血
痙攣性腸閉塞(痙攣性イレウス)

腸管に器質的な疾患はなく、腸管の一部が痙攣を起こしたものです。

主な原因

  • ヒステリーや神経衰弱
  • 鉛やニコチンの中毒
  • 腸管に対する鈍力、損傷、異物
  • 虫垂炎、胆石症、腎結石
  • 腸間膜血管の血栓・塞栓

診断までの検査

実際の問診や診察の他、以下の検査結果も総合的に考慮し腸閉塞の診断となります。また、腸閉塞の有無の他、腸閉塞に至った原因の追及も重要となります。ここでは、腸閉塞の診断のみを前提に検査を紹介します。

聴診

腸の動きの音が弱かったり、消失していることにより、腸の動きが停止していることが判明します。

X線(レントゲン)検査

ガスが溜って腸管が膨張した部位や大きさから、閉塞している部位を診断します。腸閉塞の有無自体は、腹部レントゲン写真で診断がつきますが、腸閉塞に至った原因を追及するためにはさらなる検査が必要となります。

血液検査

白血球・赤血球の増加や、炎症を起こしていることを示す数値(CRP)が高値となったり、脱水症の数値を示したりする場合もあります。

超音波検査・CT検査・造影検査

腸管の拡張や蠕動(筋肉が収縮して食物を移動させる動き)異常、腹水の貯留、腸管壁の厚さを観察して診断ができます。また、腸閉塞の種類や原因の追及にも有用です。

治療と予防

治療

大きく分類すると保存的治療(手術をしない治療)と手術治療(手術をする治療)に分かれます。絞扼性の腸閉塞では手術治療が第一選択となります。保存治療で改善しない場合や、改善しても症状を繰り返す場合も手術が必要となります。

保存的治療
絶飲食+点滴加療
症状が軽度の場合は、飲食を止め胃腸を休めるとともに、水分管理を厳重に行なうことにより改善します。
イレウス管(長い管)・胃管挿入(短い管)
おなかの張りが強い場合や絶飲食と点滴加療で改善が認められない場合は、鼻から腸管の閉塞部まで管を入れ、腸内の内容物を排出するとともに腸管内の圧力を下げます。
高気圧酸素療法(HBO)
高い気圧を発生させる密封された器械の中に入ります。気圧を高くすることによって、体内(腸管内)の貯留ガスの容積を減少させ、腸の血液の流れを改善します。
手術治療
絞扼性腸閉塞の場合
捩れを戻したり、腸管を絞めているひも状の組織を切ったりして、腸閉塞の原因を解除します。腸管の血流が良好であれば、ここで手術は終了ですが、すでに血流不足のため、腸管が壊死に陥っている場合にはその部分を切除し、残った腸と腸を吻合(つなぐ)します。
癒着による腸閉塞の場合
閉塞の原因となっている癒着を剥離(剥がす)します。腸管壁の損傷が激しい場合や剥離が困難な場合には、腸管を切除し、残った腸と腸を吻合(つなぐ)します。
腫瘍による腸閉塞の場合
切除が可能ならば、腫瘍を含め腸管の部分切除を行ないます。全身状態や腸管の状態が良好であれば残った腸と腸を吻合(つなぐ)しますが、できない場合は人工肛門を造ります。
  • 人工肛門とは、肛門から便の排泄ができない場合などに、腸の内容物が体外に排出されるよう、人工的に造られた排泄のための出口のことです。

治療日程の概要をみる

予防

残念ながら、腸閉塞に対する確立された予防法はありません。ここでは、日常生活において最低限、予防のために出来ることをご紹介します。

  • 暴飲暴食を避ける
  • 消化の悪い物(山菜・海草・こんにゃく等)を大量に摂取しない(特に開腹手術後)
  • 体調の優れない時は消化の良い物を摂取する
  • 規則正しい生活、食生活を心がける
  • 十分な休息を取る(疲労を溜めない)

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュール表に沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院での、腸閉塞の治療に対応するスケジュール表には以下のようなものがあります。

腸閉塞の主な入院スケジュール

  • 腸閉塞解除術(緊急手術)

腸閉塞解除術(緊急手術)

手術日~4日目

5日目~9日目

腸閉塞保存的治療

治療開始日~8日目

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成27年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。