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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600
FAX:0263-32-6763
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胆のう炎について

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平成28年度データ

入院患者数

胆のう炎の治療で入院した患者数104人

年齢構成

年齢手術あり手術なし
~39歳3人0人
40~49歳12人1人
50~59歳12人2人
60~69歳17人2人
70~79歳19人4人
80~89歳13人7人
90歳~4人8人
胆のう炎で入院した患者の平均年齢65.7歳80.1歳

平均在院日数

胆のう炎で入院した患者の平均在院日数9.5日
手術の施行ありの患者の平均在院日数8.4日
手術の施行なしの患者の平均在院日数13.3日
当院に入院した患者の平均在院日数12.8日
  • 入院中に他疾患の治療のためなどで入院期間が長くなった患者さんを除いて集計しています。この後の在院日数の分布・年齢別の平均在院日数についても同様です。

胆のう炎で入院した患者の在院日数の分布

手術あり手術なし
3日19人1人
4日6人1人
5日13人2人
6日8人1人
7~10日17人7人
11~15日7人4人
16~20日5人2人
21~30日1人5人
31日~3人1人

年齢別平均在院日数

手術あり手術なし
~39歳6.0日-
40~49歳4.8日4.0日
50~59歳6.6日6.5日
60~69歳6.5日13.5日
70~79歳9.5日6.3日
80~89歳10.6日16.1日
90歳~21.8日17.3日
胆のう炎で入院した患者の
平均在院日数
8.4日13.3日

退院状況

手術あり手術なし
自宅へ退院73人14人
他病院へ転院※14人2人
その他(施設への入所等)2人6人
死亡退院※21人2人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。
  • 死因の内訳は、胆石性急性胆のう炎1人、胆管癌1人、S状結腸癌1人となっています。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

胆のう炎とは

胆のう炎は、胆のうに起こる炎症で、胆のうに石ができる胆石症(胆のう結石症)を合併していることがほとんどです。胆のう炎は、胆石による刺激と、胆汁に含まれる化学物質(胆汁酸)による刺激で炎症が起こり、さらに細菌感染によって炎症が悪化すると考えられています。

胆のうは肝臓の下部に張りついた、ナスのような形をした臓器で、肝臓でつくられた胆汁を一時的に貯えて濃縮する働きをしています。濃縮された胆汁は、胆のうから胆のう管、総胆管を通って十二指腸に送られて、脂肪分の消化・吸収を助けます。

胆石症とは

胆石症とは、肝臓から過剰に分泌されたコレステロールが、胆のう内で固形物質(主にコレステロールの結晶)が集まり積み重なったものです。

コレステロールは通常は水に溶けない物質ですが、胆汁中では、「ミセル」(油の周りに洗剤がついて溶けているような状態)となって溶けています。胆汁の中のコレステロール濃度が高いときや胆のうの収縮する機能が低下したときに、コレステロールが結晶となり、それは徐々に大きくなり、最終的にコレステロール胆石になると考えられています。

症状(初期症状を含む)

  • 右上腹部やみぞおちの痛み。痛みは右の肩へ響くことがあります。
  • 悪心・嘔吐、食欲不振。
  • 発熱。悪寒を伴うことがあります。
  • 黄疸(皮膚や粘膜が黄色くなります)が出ることがあります。

胆のう炎の種類

急性胆のう炎

急性胆のう炎は、その90~95%に胆石症を合併していると言われます。炎症の強さなどで、下記のように分類されます。

カタル性胆のう炎

胆のうの内側の表面に、軽い炎症が起こったものです。

化膿性胆のう炎

胆のう内の胆汁は濁って膿のようになり、胆のうの壁が腫れてきます。

壊疽性胆のう炎

強い炎症により、胆のうの壁の組織が死んでしまった部分がみられます。また、胆のうに穴があいて(穿孔)、胆汁がお腹の中にもれることがあります。

気腫性胆のう炎

ガスを発生する細菌による特殊な胆のう炎で、胆のうの壁とその内外にガスを生じます。一般の胆のう炎より症状が強く出ます。

慢性胆のう炎

急性胆のう炎の繰り返しによるものです。胆のうの壁が厚くなったり、繊維状に硬くなったり、胆のうが縮んだりして、機能低下が起こります。一般的に、症状は急性胆のう炎より軽いです。

また、胆石症の合併の有無で、胆石性胆のう炎と無石胆のう炎に分けられます。

診断までの検査

胆のう炎は、右上腹部やみぞおちの痛み、圧痛(圧迫した時に感じる痛み)、発熱、血液中の白血球数やCRP(体内で炎症が起きた時などに血液中に現れる蛋白質の一種)の上昇、画像検査で胆のう炎に特徴的な所見を認めた場合などに、診断されます。

血液検査

採血をして、血液中の成分を調べます。炎症や感染症が起こっていると、白血球数やCRPが上昇します(しないこともあります)。また、胆管炎や膵炎の合併の確認や、全身状態の把握にも、血液検査が役立ちます。

超音波検査

超音波を体外から当てて、お腹の中の様子を確認する検査です。身体への負担が少ない検査です。

レントゲン検査

お腹のレントゲン撮影を行ないます。胃や腸の穿孔や、腸閉塞など、胆のう炎以外の疾患と区別するのに有用です。

CT検査

X線を利用した検査で、身体の断面を画像でみることができます。胆のうの穿孔や、お腹の中に膿が広がっている場合などの診断に有用です。

MRI検査

磁気を利用した検査で、身体の断面を画像でみることができます。胆のうやその周囲への炎症の広がりを、よく確認することができます。CT検査と比べて時間がかかりますが、X線の被爆はありません。また、MRCP検査では、胆石が胆のうの出入り口につまっていたり、総胆管に落ちてつまっていたりする様子を、造影剤を使用せずに画像でとらえることができます。

内視鏡的逆向性胆道膵管造影(ERCP)

内視鏡をつかって、十二指腸にある総胆管の出口から造影剤を注入し、X線で撮影します。胆のうや総胆管の様子や、胆石の有無などを調べることが出来ます。

胆のう炎の治療

点滴治療

急性胆のう炎では、抗生剤を点滴して細菌感染を抑え、まずは全身状態の改善に努めます。その後、炎症や感染が落ち着いてから、必要に応じて手術治療を行ないます。

手術治療

胆のうを手術で摘出する治療で、腹腔鏡という内視鏡を用いて行なう手術と、お腹を開いて行なう手術(開腹術)とがあります。どちらの手術も全身麻酔をして行ないます。胆石性胆のう炎の場合には、胆のう炎を何度も繰り返すことがあるので、胆石とともに胆のうを摘出することが根本的な治療であり、標準的な治療として広く行なわれています。また、胆のうは胆汁を一時的に貯えておく臓器ですが、摘出後も胆汁は十二指腸へ流れていくため、身体に大きな影響は残りません(脂肪分の多い食事で下痢気味になる方がいますが、次第によくなります)。

腹腔鏡下胆のう摘出術

現在、胆のう摘出術の主流となっている手術方法です。お腹に1~2cmの傷を3~4ヶ所開けて、二酸化炭素ガスでお腹を膨らませてから、腹腔鏡と専用の器機を傷口から入れて、テレビモニターでお腹の中を観察しながら胆のうを切除する手術です。切除した胆のうは、おへその上に開けた傷口から取り出します。手術の傷が小さくてすみ、手術後の痛みが開腹術よりも少なく、回復も早いために、手術後2~5日で退院が可能です。

治療日程の概要をみる

開腹胆のう摘出術

胆のうの炎症が強い場合や、過去に胃など上腹部の手術を行なっている場合などに行ないます。腹腔鏡での手術より傷が大きく、手術後の痛みも強いですが、実際にお腹の中を広く観察して、周囲の臓器や血管を確認しながら手術を行なえる利点があります。通常は、手術後5~7日で退院が可能です。

内視鏡的経鼻胆のうドレナージ(ENGBD)

内視鏡をつかって、十二指腸にある総胆管の出口から細い管を挿入し、管の反対側の端を鼻から外に出して、胆汁を外に出してあげる治療です。黄疸が出ている場合や、炎症が強い場合などに行ないます。

経皮経肝胆のうドレナージ(PTGBD)

超音波でお腹の中を確認しながら、身体の表面から肝臓を通って胆のうに針を刺し、その後、X線で確認しながら胆のうに細い管を留置して、胆のうに溜まっている胆汁を外に出してあげる治療です。局所麻酔をして行ないます。全身状態が良くなくて、内視鏡での治療が行えない場合などに行ないます。

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュールに沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。また、治療の経過によっては、複数のスケジュール表を組み合わせて使用することもあります。)

主な内容は以下のとおりです。

入院スケジュール

  • 胆のう摘出術(緊急手術)☆
  • 腹腔鏡下胆のう摘出術(手術前日に入院)☆
  • 内視鏡的経鼻胆のうドレナージ(ENGBD)
  • 経皮経肝胆のうドレナージ(PTGBD)

このうちの☆をつけた2つについて、スケジュール表を載せました。

胆のう摘出術(緊急手術)

腹腔鏡下胆のう摘出術(手術前日に入院)

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成29年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。