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社会医療法人財団慈泉会
相澤病院
〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600
FAX:0263-32-6763
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慢性腎不全について

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平成28年度データ

入院患者数

慢性腎不全の治療で入院した患者数79人

他疾患の治療のために入院した、血液透析を行なっている慢性腎不全の患者数が一部含まれています。

年齢構成

~39歳4人
40~49歳2人
50~59歳10人
60~69歳17人
70~79歳16人
80~89歳26人
90歳~4人
慢性腎不全で入院した患者の平均年齢71.4歳

平均在院日数

慢性腎不全で入院した患者の平均在院日数13.5日
当院に入院した患者の平均在院日数12.8日

慢性腎不全で入院した患者の在院日数の分布

~5日23人
6日~10日14人
11日~20日26人
21日~30日9人
31日~40日5人
41日~50日0人
51日~2人

慢性腎不全で入院した患者の年齢ごとの平均在院日数

~39歳5.3日
40~49歳4.0日
50~59歳8.4日
60~69歳12.5日
70~79歳20.6日
80~89歳13.0日
90歳~19.8日
慢性腎不全で入院した患者の平均在院日数13.5日

退院状況

自宅へ退院59人
他病院へ転院※19人
その他(施設への入所等)3人
死亡退院※28人
  • 転院とは、他病院で引き続き入院する場合です。
  • 死因の内訳は、末期腎不全2人、慢性腎不全3人、糖尿病2人、陳旧性心筋梗塞1人となっています。

  • 掲載した統計は、DPCデータを用いたものです。DPCデータは、入院中の「最も医療資源を投入した傷病名」による分類に基づきます。

慢性腎不全とは

腎臓は、血液から余分な水分や老廃物、酸、電解質をろ過して尿をつくり、身体の外に排出して、体液の量および質のバランスを保っています。慢性腎不全は、数ヶ月以上続く腎臓の機能低下により、体液のバランスが維持できなくなった状態のことです。腎臓の機能が正常の50%以下に低下した状態のことをいいますが、慢性腎不全は無症状で進行していくことが多く、自覚症状を感じるようになる頃には、腎臓の機能はもとの20%くらいに低下しています。さらに、腎臓の機能が10%以下になると、透析や腎臓移植が必要となります。慢性腎不全になる原因には、糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎、のう胞腎、慢性腎盂腎炎などの病気があります。

腎不全になり、体液の量や質のバランスがくずれると、様々な症状が現れます。また、腎臓には血液をつくる作用や、骨をつくる作用を助ける働きもあるので、腎不全により、貧血(腎性貧血)や骨粗しょう症などが起こります。

症状(初期症状含む)

  • 夜間尿
  • 多尿
  • 倦怠感、脱力感
  • 貧血
  • 嘔気、嘔吐、食欲不振
  • 浮腫(むくみ)
  • 手足のしびれ
  • 皮膚のかゆみ、色素沈着
  • 骨痛、骨折
  • 高血圧
  • 心不全
  • 肺水腫
  • 意識障害、けいれん  など

慢性腎不全の病期分類

慢性腎不全は、残された腎臓の機能により、4つの病期(ステージ)に分類されます。

第1期 腎予備能力低下期

腎機能は80~50%で、血液検査も正常です。体液のバランスは維持されていて、症状はありませんが、腎臓の予備機能が低下しています。

第2期 腎機能障害期

腎機能は50~30%で、血液検査で血液中の老廃物が排出されずに残っている(クレアチニン、尿素窒素の値が上昇します)ことと、貧血が認められます。また、腎機能が正常な場合には、夜間は尿を濃縮して尿量が少なくなるため、寝ている間にトイレに起きることはほとんどありませんが、腎機能が50%以下になると、尿を濃縮する力が低下するため、トイレに起きるようになります。

第3期 腎機能不全期

腎機能は30~10%で、この時期になって初めて、倦怠感(だるさ)や脱力感などの腎不全による自覚症状を感じるようになります。また、血液検査では、血液中に残る老廃物の量がさらに増えていることや、血液が酸性になっていること、リンとカリウムの上昇、カルシウムの低下を認め、体液のバランスがくずれてきています。貧血もさらに進行します。

第4期 尿毒症期

腎機能は10%以下で、嘔気・嘔吐などの消化器症状をはじめ、しびれなどの神経症状、心不全、肺水腫(肺が水びたしになり、呼吸が苦しくなります)など、尿毒症と呼ばれる症状が出現します。透析療法や腎臓移植などの治療について、検討が必要です。

診断までの検査

尿検査

検尿は最も簡単にできる腎臓の検査です。健康診断で蛋白尿(尿蛋白反応陽性)や血尿(尿潜血反応陽性)を指摘されたら、そのままにしておかずに、かかりつけの医師に相談しましょう。

血液検査

採血をして、血液中の成分を調べます。腎機能が低下すると、血液中の老廃物の指標である、クレアチニンや尿素窒素の値が上がってきます。また、酸、電解質のバランスや、貧血の有無を確認をします。

超音波検査

超音波を体外から当てて、お腹の中の様子を確認する検査です。身体への負担が少ない検査です。慢性腎不全では、多くの場合、腎臓が小さく、硬くなっている様子が観察されます。

腎生検

腎臓の機能低下が認められた初期の段階で行なう検査です。局所麻酔をして、超音波で腎臓の位置を確認しながら、背中から針を刺して腎臓の組織を採取します。その後、採取した組織を顕微鏡で観察して、腎臓の病気を調べます。検査後はベッド上で安静が必要です。

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治療と予防

治療について

慢性腎不全の治療の目的は、慢性腎不全の進行(悪化)を遅らせること、合併症を予防すること、そしてそのことにより、患者さんの生活の質を保つことにあります。

食事療法

慢性腎不全の進行に合わせて、塩分や蛋白質、カリウムなどの摂取制限を行ないます。また、水分は尿量に合わせて摂取することが大切で、過剰な摂取と極端な制限のどちらもよくありません。医師や管理栄養士が、患者さんの状態に合わせて説明を行います。

薬物療法

残念ながら、慢性腎不全を治す薬はありません。慢性腎不全の進行に影響する病気(糖尿病や高血圧症、脂質異常症など)と、慢性腎不全による症状を抑える治療を行ないます。場合によっては、薬の種類や数が多くなったり、薬を飲む時間が数回に分かれたりすることがありますが、決められた用法・用量を守ることが大切です。また、複数の医療機関にかかっている場合には、それぞれの医療機関の医師に、飲んでいる薬の種類を報告するようにしましょう。

運動制限

慢性腎不全の進行に合わせて、運動制限があります。安静を強いるものではありませんが、血圧や腎機能などをみながら、運動量を調整する必要がありますので、医師の指示に従って下さい。

貧血に対する治療

腎臓は血液をつくる作用を助けているので、慢性腎不全が進行すると貧血が起こり、これを腎性貧血といいます。治療には鉄剤の投与や、エリスロポエチン製剤と呼ばれる薬を注射をします。また、腎性貧血だけではなく、消化管出血(胃出血や腸出血)など、他の原因による貧血ではないか、確認することも必要です。

透析療法

腎機能が10%以下になったり、薬物療法では高カリウム血症(命を落とすような不整脈を起こします)や尿毒症、心不全などの症状がコントロールできなくなったりすると、透析療法や腎臓移植による治療が必要になります。ここでは、透析療法について触れます。透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析
血液を身体の外に取り出して、透析器で血液中の老廃物、余分な電解質や水分などを除去した後、きれいになった血液を再び身体に戻す治療です。通常は、血液を身体から取り出すため、「内シャント」と呼ばれる血液の通り道をつくる手術を行ないます。また、血液透析は週2~3回、医療機関に通院して行ない、1回の治療時間は3~5時間ほどです。

※内シャントをつくる手術について
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腹膜透析
お腹のなかにある腹膜をつかって行なう透析です。まず、手術で腹膜透析用の管をお腹に入れる必要があります。この管から透析液と呼ばれる液体をお腹の中に入れると、腹膜を通して、血液中の老廃物など不要なものが透析液に移動します。その後、透析液を管からお腹の外へ取り出します。また、腹膜透析は通院しなくても行える利点がありますが、腹膜炎や管の出入り口部分の感染などが起こることがあります。

予防について

  • 糖尿病、高血圧症、脂質異常症は、慢性腎不全になる危険を高めます。これらの病気がある場合は、治療をしっかりと行ない、生活習慣の改善に努めます。
  • 喫煙者には禁煙が勧められます。
  • 慢性腎不全は、自覚症状がないまま進行していきます。健康診断の尿検査で、蛋白尿や血尿を指摘されたら、かかりつけの医師や近くの医療機関に相談しましょう。

標準的な入院スケジュール

当院では治療や検査を進める標準的なスケジュール表をあらかじめ作成しています。スケジュールに沿った治療、検査を行うことで、治療内容や安全性を一定に保つことができます。(緊急入院や合併症のある場合などは、個別にスケジュールを立てることがあります。)当院では、慢性腎不全と透析、内シャントに関連した検査や手術に対応するスケジュール表が6種類あります。このうち、「腎生検」と「内シャントをつくる手術」のスケジュール表を紹介します。

入院スケジュール

  • 腎生検
  • 内シャントをつくる手術

腎生検

内シャントをつくる手術

  • 掲載されている「入院スケジュール」等は、平成29年9月30日現在のものです。内容は変更となる可能性があります。