各科・診療部門 睡眠時無呼吸治療センター

当センターでは、睡眠時無呼吸症候群、過眠症、REM睡眠行動障害、周期性四肢運動障害、レストレスレッグス症候群、概日リズム睡眠障害などを扱います。
健康センターの人間ドックで実施されるSAS検診判定、CT検診読影を行います。

医師紹介

吉岡 照晃

睡眠時無呼吸治療センター
センター長

  • 昭和58年 富山医科薬科大学医学部卒
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器学指導医
  • 肺がんCT検診認定機構肺がんCT検診認定医師

主な診療内容

睡眠障害・過眠症

睡眠障害や過眠症状を呈する疾患:睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群:SAS(後述)等)、睡眠関連運動障害(レストレスレッグス症候群:RLS、周期性四肢運動障害:PLMD等)、概日リズム睡眠覚醒障害(睡眠相後退障害等)、睡眠関連行動障害(REM睡眠行動障害:RBD、ノンレムパラソムニア等)、 過眠症(ナルコレプシー、過眠障害)等の診療を行います。
各種問診表、睡眠覚醒表(sleep-wake log)、終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)、睡眠潜時反復検査(MSLT: multiple sleep latency test)等にて、診断(除外診断)を行います。

・終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)

この検査は睡眠の状態や呼吸の状態をトータルに調べる検査であり、センサーを体に取り付け、脳波や心電図、酸素飽和度、呼吸状態、睡眠中の行動・運動(脚の動き)などを測定・観察します。
睡眠の質、覚醒反応、睡眠中の無・低呼吸イベント、レム睡眠中の所見(RWA)や下肢の不随意運動(PLMS)を判別、異常脳波、心電図異常などをチェックし、睡眠障害などの原因を鑑別します。
PSG検査は、睡眠呼吸障害はもとより、PLMDなどの睡眠関連運動障害、RBDを代表とするパラソムニア(睡眠行動障害)の診断、過眠症診断上の確認、及び概日リズム障害や不眠症における除外診断、複数のオーバラップ疾患の診断に必要です。
PSGの睡眠段階、イベント判定はAASM判別マニュアルver2.4(2017)に基づきます

・睡眠潜時反復検査(MSLT: multiple sleep latency test)

主に過眠症の診断に対して用いられます。PSG検査を施行した翌日に行います。

睡眠障害、不眠障害への対処には複数科(神経内科や精神科)との共同が必要で連携して診療を致します。
神経内科は、特に、睡眠随伴症のひとつREM睡眠行動障害(本症は、α-シクレイノパチーと言われるパーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症等の前駆疾患と考えられています)、睡眠関連運動障害、睡眠関連てんかん等に関して、精神科は、 不眠症や概日リズム障害、抑うつ、統合失調症、発達障害等の鑑別・併存診断・治療のため、あるいは一次治療後の増悪等に対し、連携して診療を行います。

 

睡眠時無呼吸検査室 個室(2床)
PSG検査センサー装着中

睡眠時無呼吸症候群 (SAS:Sleep Apnea Syndrome)

昼間の眠気を感じ、集中力や活動性が低下し、交通事故・労働災害率の増加に繋がる一方、放置した場合、様々な生活習慣病の原因や誘引となりうる疾患です。 発見動機としては、他人に睡眠中のいびきや無呼吸を指摘されて検査を行い診断される方が圧倒的に多いですが、循環器疾患や糖尿病の背景に本症の存在が疑われて検査される場合もあります。脳卒中発症後に気づいたり心配されるケース、透析患者さんへの合併も見られます。

睡眠時無呼吸診療ウェブサイト

・携帯用睡眠時無呼吸検査装置(OCST)

OCSTを用いて自宅で睡眠中に検査を行います。さらに、睡眠状態や呼吸状態をより詳しく調べる必要がある場合に終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)を行います。

・終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)(上述)

SASを確定診断して重症度を判定し治療方針を決定します。

・CPAP(シーパップ)療法

睡眠時無呼吸症候群は、上気道が詰まることが原因となっています。最も有効な治療がCPAP療法です。この療法は専用のマスクを装着し鼻腔を通じて気道内に空気を送り込み、この空気の圧力で上気道を拡げることにより、気道の閉塞を取り除くものです。
必要な空気圧は患者さんよって異なりますので、CPAP療法中の適正圧をPSG検査下でマニュアルで確認・決定します。このため、計2回PSG検査を行ないます。
CPAP療法の開始後、治療を受け入れて、快適に睡眠が取れ、継続して使用していただくために、外来診療ではCPAP使用データを参照しながら様々な工夫・助言を行います。詳細は睡眠時無呼吸診療ウェブサイトも参照ください。
冬期はマスク内に結露が発生し易いですが、長野県は内陸性気候のため、夜間の最低気温が全国的に見ても低く、結露がCPAP使用の大きな支障となることが多いため、その対策には特に工夫を凝らしています。

・ASV療法

心不全に伴う呼吸異常(チェーン・ストークス呼吸)の患者さんには、この異常呼吸を改善させ心機能改善効果がある、ASV治療を行います。

・口腔内装具療法

睡眠中の気道の閉塞を防ぐため、歯科装具を使って下顎を前方に保持し、舌根部の後方の気道を確保するものです。
歯科医師と連携をとり、患者さんに最適な装具を作ります。装置の完成後は、その効果の判定をOCSTを用いて行ないます。その後、経過観察を行います。

・生活指導

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは肥満が原因の場合が最も多く、その場合減量が有効ですので、栄養指導を受けていただきやすいよう、栄養士が外来診察の前または後に承っています。就寝前のアルコールを控えることも有効です。睡眠中に口で呼吸する習慣を鼻呼吸に改善することも大切で、そのために鼻閉の原因となる疾患の治療が必要なこともあります。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症や動脈硬化を引き起こし、放置すると心筋梗塞や脳卒中の発症の危険があります。本疾患の生活指導では、鼻通気改善を含めた口呼吸への対策、減量、運動、禁煙、節酒などに加え、規則正しい睡眠習慣などの睡眠衛生の管理が特に重要です。

健康センター

・SAS検診:パルスオキシメトリ、質問票を用いてSASのスクリーニングを行います。

・CT検診:読影を行います。

 
 
 

実績

・CPAP契約数

H25 H26 H27 H28 H29
月平均 576 615 705 777 856

・睡眠関連検査件数

年総件数 PSG OCST SAS検診
H25 293 237 278
H26 336 221 243
H27 266 185 222
H28 326 191 260
H29 357 178 249

・CT検診成績

受診総数 要精査率(%) 結果判明率(%) 肺癌確定数 切除数 Ⅰ期数
H24 4,296 5.8 90.3 9 (0.205%) 6 6
H25 4,405 6.5 83.7 12 (0.273%) 10 9
H26 4,600 6.2 81.8 14 (0.304%) 14 14
H27 4,371 7.5 93.2 7 (0.160%) 7 6
H28 4,427 9.9 89.8 8(0.181%) 6 3

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