2012年度 社会医療法人財団 慈泉会 年報
64/382

状態とするために、一定期間集中的に専門スタッフが各々の専門性を十分に発揮して協働するチーム医療を提供する。協働を効果あるものとするためには、日常の態度や仕事ぶりに基づいて構築される信頼と良好な人間関係、お互いの立場や専門性を尊重して補完し合う相互理解、思いを共有して行動を起こすための価値観が重要であると認識して、情報の共有と多職種合同のカンファレンスを大切にする。退院後については、病状が安定している患者さんや経過観察や往診が必要な患者さんは、ご自宅に近い診療所に紹介し、在宅療養ができるようにする。急性期の病態は脱したものの引き続いての治療やリハビリが必要な患者さんは亜急性期病院や回復期リハ病院に転院していただき入院治療が継続できるようにする。長期にわたっての入院治療の継続が必要な疾患や後遺症や合併症を抱えて長期の入院医療が必要な患者さんは療養病院に転院して入院が継続できるようにする。このためには退院後に円滑に医療が受けられるように地域各医療機関との連携(後方連携)を重視する。また、転院後や退院後に急性期病院に再入院する病態に陥ったときには当院が円滑に入院医療を提供する連携(前方連携)も大切にする。地域におけるこのような連携システムの構築を相澤病院医療連携センターが中心となって推進する。相澤病院が希求する医療の質とは、患者が求めるよい医療サービスを効率的効果的に提供して、その過程・結果のすべてにおいて患者の安心と満足を得ることと考え、患者との良好なコミュニケーション(人間関係構築)の上に、説明責任が果たせる適正な医療を実践する。提供した医療の質を評価検証することは重要であり、相澤病院では医療のアウトカムとプロセスの両面から多面的に評価するシステムを構築して実施する。評価を評価だけに終わらせないために、評価は円滑にフィードバックし、改善・改革を要するものに関しては、改善改革計画を立てて実行し再評価をする。このPDCAサイクルを回すことで継続的に医療の質改善を図るシステムを構築して実施する。相澤病院は期待する職員像を職能要件書として明示しているが、忘れてはならない基本的な姿勢は、患者さんの安全を守ること、必要な医療を確実に受けていただくために全てを患者さん視点で考えること、医療者と患者さんとの間には様々な格差があることを認識して専門性を発揮することである。専門性を遺憾なく発揮するためには他者から信頼される人間であることと良好な患者−医療者関係を築くことが重要である。専門性を高めるためには、等級毎・職群毎に示された職能に沿って自己評価をすると共に他者評価を受け、自らの職能を自ら磨くことが必要である。このための評価システムと教育・研修システムを充実させ運営する。今、医療も医療界も医療を取り巻く環境も激変している。このような状況においては時代の要請に応えて適切な改革を断行することが経営継続のためには必須となる。過去の実績にとらわれるのではなく常に原点から考える自由な発想と思い切って一歩を踏み出す勇気が必要である。その上で「自立」と「自律」をもってチャレンジすることが改革の原動力となることを忘れずに二つの「じりつ」を養う不断の努力を重ねることが重要である。このためのオンザジョブトレーニングのシステムを構築し、変化対応が円滑に行える横型組織マネジメントを行なう。個人としての各々の力量が如何に高まったとしても、それが必ずしも組織の力に反映されるわけではない。組織は異なる仕事をこなす異なる技能と異なる価値観を持つ人から成り立っており、組織マネジメントにおいては、組織の構成員である職員に組織の目標達成に向かって貢献してもらわなければ組織の発展はない。このため、相澤病院は全職員の活動を経営目的達成へと方向づけ、組織が最大の効果を上げられるように目標管理制度を有効活用して職員のエネルギーを集約する。職員ひとり一人もチームも組織もミッション・ビジョン達成を目指して真摯で地道な努力を積み重ねることで、強い組織文化を創り、継続可能で信頼される病院を創造する。相澤病院―54―

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です