2012年度 社会医療法人財団 慈泉会 年報
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整形外科統括医長北原淳1概要整形外科は四肢関節および脊椎にかかわる外傷・変性疾患の治療を行う部署である。外傷においては四肢脊椎を構成する骨折から筋腱損傷、神経損傷の再建を手術療法および保存療法を用いて加療している。骨折外傷においては超高齢化社会の下骨脆弱性骨折(橈骨遠位端骨折、大腿骨近位部骨折)に対する早期手術療法を積極的に行い、早期の日常生活への復帰を進めている。また、主に変性から生じる変形性膝関節症/股関節症に対する人工関節置換術、骨切り術などを実施している。上肢絞扼性末梢神経障害である、手根管症候群、肘部管症候群に対しては、症例に応じて低侵襲手術である鏡視下神経剥離術を行っている。脊椎変性疾患に対しても、腰椎・頸椎を中心として、除圧術から脊椎固定術まで、この病態に応じて術式を選択し加療を行っている。腰椎椎間板ヘルニアに伴う神経障害に対しては、脊椎内視鏡下ヘルニア切除術を行うことで術後の疼痛軽減を図っている。当院は日本整形外科学会専門医制度認定研修施設である。【部署構成】整形外科医師7名(うち日本整形外科学会専門医5名)【体制】外来新患外来および予約外来月〜金手術月〜金連日開放骨折や脊髄損傷患者に対する緊急手術に対応土日休日整形外科疾患対応日直2今年度の取り組みと成果①骨折予防対策超高齢化社会の中、脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折、腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折など)の急速な増加が見られている。これらは骨粗鬆症と運動機能低下に起因する易転倒性から生じている。そのため当科では以下の2点に取り組んだ。(1)骨粗鬆症治療急性期病院である当院でもこれらの骨折に対する加療が増えており、骨折の予防ましてドミノ骨折と呼ばれる、脆弱性骨折の連鎖を防ぐ必要がある。まずこれらの脆弱性骨折を生じた患者を対象として、骨粗鬆症治療の体系を制定した。これには骨密度評価時期およびビスホスホネート剤を中心とした骨粗鬆症薬の使用などについて定めている。(2)転倒予防教室運動器リハビリテーション部門に依頼して、転倒予防教室を開催した。健康お役立ち講座を利用し、市民への転倒予防の啓発、また日本整形外科学会が指導するロコトレを基盤にした定期的な介入を行った。②大腿骨近位部骨折に対する早期加療本事項に対しては年度ごとの更新を行っている。2012年1月1日より12月31日までに大腿骨近位部骨折の加療を受けた患者は315例であった。平均在院日数は21.9日と徐々に短縮している。これには術後1週の時点における移乗動作レベルから獲得可能な動作能力を予測して、アウトカムを設定しなが相澤病院―123―

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