社会医療法人財団 慈泉会 年報 Vol. 16
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化学療法の開始にあたっては現在の病状を説明したうえで、考えられる治療方法、それぞれの治療法において期待される効果と予測される有害事象、化学療法をお勧めする理由、化学療法施行中の注意点などを記した説明書を用いて十分な説明と同意(インフォームドコンセント)を行ったうえで治療選択をしていただいている。化学療法については標準治療の概念のもと、月一回開かれる�がん診療ガイドライン及び治療薬剤に関する検討会議�においてすべてのレジメにつき討議を行い、登録制の院内統一レジメを作成した。このことにより院内でどの医師が担当しても同じ治療法を行うことが可能となった。また投与方法のばらつきによる抗腫瘍薬や、副作用対策のための治療薬の変動を防ぐためレジメごとにクリニカルパスを作成し、治療を行っている。現在「消化器」「呼吸器」「乳腺」「泌尿器」のキャンサーボードが定期的に開催され、それらキャンサーボードに出席し院内の治療についても協力している。2.今年度の取り組みと成果生命予後の限られた進行再発がんの治療においては、よりQOLを重視した治療が必要であるとの考えが広まり、多くのがん化学療法は外来にて行っている。月〜金の週5日外来化学療法を行っている。平成22年度はがん集学治療センターとして4,278件(平成22年度2.938件;107.5%)の外来化学療法を施行した。化学療法科外来診察数は3,830件(平成22年度3,830件;122.3%)。がん集学治療センターでは外来化学療法を行う全症例に対して、前日に化学療法科医師、緩和ケア科医師、放射線治療科医師、薬剤師、看護師、クリニカルリサーチコーディネーター、事務員によるカンファレンスを開き、病状、治療方針、療養生活における問題点などを全員で確認し治療方針につき検討している。この症例カンファレンスはセンター開設時より一日も欠かしたことはない。センター開設時は化学療法の多くは午前中に終わりましたが、症例の増加と長時間レジメの増加により化学療法ベッドを2回転あるいは3回転使用することもある。がんの治療は日進月歩であり、患者さんによりよい治療を提供するため、様々な新規治療の開発、臨床検査が行われている。化学療法科でも患者さんの協力のもと国内の様々な臨床試験に参加し、よりよい治療を探るための努力をしている(詳細はがん集学治療センター事務部臨床研究管理課を参照)。3.学術・研修学会発表2011年7月21日-23日第9回日本臨床腫瘍学会学術集会中村将人「PathologicalCRcaseofmultiplelivermetastasesfromrectalcancertreatedwiththefullyhumanantibodypanitumumabandmodifiedFOLFOX6asneoadjuvantchemotherapy」西田保則「Pegylatedliposomaldoxorubicininthetreatmentofperitonealcarcinoma―acasereport―」白津和夫「UFT/LV療法が有効であった血液透析患者における横行結腸癌腹膜播種再発の一例」2011年10月27日-29日第49回日本癌治療学学術集会中村将人「Aprepitantを併用した進行再発胃癌に対する外来でのTS-1+CDDP療法の検討」中村将人「強力な治療が困難な高齢進行再発大腸癌に対するcetuximab単剤療法」西田保則「切除不能進行食道癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)を用いた根治的化学放射線療法の治療成績」上川晴己「外来がん化学療法施行患者を対象としたエレンタールレシピの開発」活動報告―54―

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