社会医療法人財団 慈泉会 年報 Vol. 16
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・嚥下障害の評価とリハビリテーションを一層充実させるスタッフリハビリテーション科常勤医師:原、濱田(2010.10.から京大医学部呼吸器内科より)、山口(長野県より出向研修)2.今年度の取り組みと成果・2011年度、リハビリテーション科退院患者総数597名(2010年度比18.6%増)、平均在院日数25.8日(2010年度比16%減少)。後期から稼働した「脳卒中3週転院クリニカルパス」の成果と、TMS患者さんとBOTOX治療患者さんの増加による。・回復期リハビリテーション病院との連携を強化する、「脳卒中3週転院クリニカルパス」は2011年度後期から適用して40例に適用した。在院日数24.1日での転院となり、効果的な情報提供と転院をすすめることができた。さらに回復期リハ病院退院後の自宅復帰例では、退院後に当院リハ科を受診し、その後のリハビリテーションを援助するシステムを確立した。・脳卒中後の上肢手指麻痺を改善させる、経頭蓋磁気刺激TMS+集中OT(NEURO-15)施行患者さんは開始から現在までに142名に達しており、これまでリハビリテーションでは限界のあった麻痺側上肢手指機能の改善を得る治療成績を確実にあげることができた。慈恵医大関連施設のTMS治療集計700例のまとめを2012年度には論文化するスケジュールとなっている。当院で急性期リハを実施した患者さんでTMS治療につながる患者さんが徐々に増えてきており、急性期リハから連続した治療プロセスが形成されつつある。2011.4.23.には慈恵医大リハ医学講座とともに「第2回マグネティック・スティムレーションTMS研究会in松本市民フォーラム」を相澤病院にて開催し、TMS治療を広く市民に学んでいただく機会をつくった。・脳卒中後の痙縮に対する新たな治療法であるボトックス治療の導入。これまで脳卒中後の痙縮に対しては効果的な治療法とリハビリテーションの方法が存在しなかった。そのために多くの脳卒中患者さんは痙縮が生じるとウェルニッケマンの肢位を生じて重度な後遺症を遺した。2010年度から保険診療収載され、2011年からは入院での使用も可能となったボトックス治療を開始した。2011年3月までに74名のボトックス治療とその後のリハビリテーションを実施し、改善を確認し、上肢機能の改善例を生み出すことができた。慈恵医大リハ医学講座角田亘講師をお招きし、「ボツリヌス療法が切り開く脳卒中リハビリテーション新時代」を開催し、脳卒中ガイドライン2009にてグレードAと支持されたボトックス治療のエビデンスについての勉強会を開催した。・嚥下障害に対する治療的電気刺激VitalStimを導入し、急性期脳卒中後の誤嚥性肺炎予防を可能にした。VitalStimによりサブスタンスPの血中濃度の増加を確認する臨床知見を実施した。・高次脳機能障害研修会の開催、長野県高次脳機能障害拠点病院として専門スタッフ向けに例年開催している高次脳機能障害研修会を開催、2011年度は愛媛大学教育部特別支援講座教授山下光先生による「高次脳機能障害者の地域支援における諸問題」を開催。171名の参加者であった。3.学術・研修・論文原寛美:医療の現状と今日求められているもの―脳卒中リハビリテーションを中心に―(TheRecentSurveyandAnalysisofStrokeRehabilitationinJapan).POアカデミージャーナル18(4).2011,208-216相澤病院―145―

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