社会医療法人財団 慈泉会 年報 Vol. 15
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巻頭言本年の大きな出来事はなんと言っても3月11日に起こったマグニチュード9の東日本大震災であろう。被災された皆様には心からお見舞いを申し上げる。この震災は想定外であるとされた。「想定外」とは何か?議論が沸騰したが結論も出ず、うやむやのうちに収束してしまった感を持つのは私だけであろうか?ちなみに大辞林には「想定外」という言葉は載っていない。大辞林を紐解くと!「想定」については、「条件・状況などを仮に決めること」と書かれている。「予想」は、「これから起こることについて考えをめぐらし、おしはかること。前もって予測すること。また、その内容。予測。」「予測」は、「将来の出来事や状態を前もっておしはかること。また、その内容。予想」と説明されており、「予想外」については、「予想もしなかったこと。また、そのような展開になるさま。思いのほか。意外」と解説されている。大辞林を紐解いてみると、今回の大震災において政府が「想定外」という造語を用いた心裏が透けて見え、責任逃れに関しこれほどまでに気を使っている事に驚愕せざるを得ない。「これから起こることについて考えをめぐらし、おしはかる」ために必要なことは何であろうか?「おしはかる」ためには考えをめぐらすための何らかの情報が必要となる。情報については、これまでに起こったことについての記録が重要であろう。東日本大震災についても、過去に「20メートルを超える大津波が東日本の太平洋沿岸を襲った」という記録があったとすれば、その備えをしていたに違いないし、その備えをしていたならばどれだけ多くのヒトが助かったか分からないであろう。このこと一つをとってみても、詳細で正確な記録を残しておくことが「おしはかる」ためには極めて大切であることが分かる。年報は慈泉会における1年間の正式な記録である。大勢の職員の多大な時間を費やして発行する年報という記録が単なる文字や数値の羅列ではなく、慈泉会の将来を「おしはかる」ために活用できる大切な記録であってほしいと心より願っている!2011年8月2日社会医療法人財団慈泉会理事長相澤孝夫―1―

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